どーも、いちかです。
筋肥大を目指していると、「同じ部位を週に何回鍛えるべきか」「1週間に何セット行えばよいのか」と悩むことがあります。
週1回より週2回がよいのか。それとも、頻度よりセット数を増やすべきなのか。
現在の研究では、筋肥大には頻度そのものより週あたりのセット数が重要で、頻度はそのセット数を無理なく配分するための手段としても役立つと考えられています。ただし、セット数を増やした分だけ同じように筋肉が成長するわけではありません。
この記事では研究でわかっていることを整理し、週セット数の決め方と、私自身の4分割トレーニングへの当てはめ方を紹介します。
筋肥大には頻度とセット数のどちらが重要?
頻度と週セット数の違い
トレーニング頻度とは、同じ筋群を一定期間に何回鍛えるかという指標です。週4回ジムに通っていても、胸を鍛える日が1日だけなら、胸の頻度は週1回です。
一方、週セット数は、対象となる筋群に1週間で何セット行ったかを表します。例えば胸のメニューが次のような場合です。
- 月曜日:ベンチプレス3セット+インクラインプレス3セット
- 木曜日:ベンチプレス3セット+ダンベルフライ3セット
胸の頻度は週2回、週セット数は合計12セットです。ただし、同じ12セットでも、重量・努力度・フォームなどによって刺激が完全に同じになるわけではありません。
頻度を増やすメリットは「分散」にもある
週12セットを1日で行うと、後半には疲労でパフォーマンスが落ちるかもしれません。一方、6セットずつ2日に分ければ、各セットの質を保ちやすくなる可能性があります。
つまり頻度は、単に刺激の回数を増やすためだけのものではありません。必要なセット数を、疲労や予定に合わせて配分するための選択肢でもあります。
もちろん、頻度を上げれば移動時間やスケジュールの負担が増える人もいます。大切なのは頻度の数字を追うことではなく、十分な刺激と回復を両立できるかどうかです。
筋トレ頻度と週セット数について研究でわかっていること
週1回と週2回では筋肥大効果が違う?
2016年のSchoenfeldらのメタ分析では、週1回より週2回のトレーニングが筋肥大に有利だと報告されました。[1]
一方、2019年に発表された25研究のメタ分析では、週のトレーニング量をそろえた場合、頻度の高低による筋肥大効果に統計的に有意な差は認められませんでした。[2]
2026年のPellandらによるメタ回帰分析でも、頻度そのものが筋肥大に及ぼす追加的な効果は、小さい、あるいは無視できる程度である可能性が示されています。[3]
これらを踏まえると、「週2回が週1回より必ず優れている」とは言い切れません。ただし、有意差が見つからなかったことは、どんな条件でも効果が完全に同じだと証明したことではありません。研究対象者や種目、セット数などの条件にも幅があります。例えばPellandらの分析は67研究・2,058人を含みますが、参加者の平均年齢は約25歳で、約8割が男性でした。長年の経験者を含むあらゆる人に、同じ結論がそのまま当てはまるとは限りません。[3]
セット数を増やすほど筋肥大する?
2017年のSchoenfeldらのメタ分析では、週セット数が多いほど筋肥大効果が高まる傾向が示されました。[4]
2026年のPellandらの分析でも、週セット数の増加と筋肥大効果の向上に関連が認められています。[3]
また、米国スポーツ医学会(ACSM)の2026年の公式見解では、筋肥大を目指す際に1筋群あたり週10セット程度が実践的な目安として示されています。[5]
ただし、週10セット未満では筋肉が成長しないという意味ではありません。週10セットという数字を、すべての人の「最低必要量」や「最適値」と考えないことが重要です。
セット数を増やしたときの収穫逓減
セット数を増やせば、平均的には筋肥大効果が高まる傾向があります。しかし、追加したセットから得られる効果は次第に小さくなります。これを「収穫逓減」と呼びます。[3]
例えば、週5セットから10セットへの増加と、週20セットから25セットへの増加では、どちらも5セット増やしていますが、得られる追加効果が同じとは限りません。
注意したいのは、追加効果が小さくなることと、追加したセットが無意味になることは別だという点です。一方で、セット数を増やせば時間や疲労の負担も増えます。
「ジャンクボリューム」という言葉もありますが、何セット目から無駄になるかを一律には決められません。追加した量が自分にとって負担に見合っているかを、記録と回復状態から判断する方が実践的です。
筋肥大に適した頻度とセット数の決め方
週セット数はどう数える?
基本的には、筋肥大を狙って行うワーキングセットを数えます。軽いウォーミングアップを同じように数える必要はありません。
ただし、複合関節種目には注意が必要です。例えばベンチプレスでは、大胸筋に加えて上腕三頭筋や三角筋前部も働きます。だからといって、各筋群に対してそれぞれ同じ3セット分の直接的な刺激があったとは限りません。
Pellandらは、対象筋への直接的なセットと間接的なセットを区別し、間接セットを0.5セット相当として計算するモデルなどを比較しました。その中では、この「0.5セット換算」を用いるモデルが比較的良好にデータを説明しました。[3]
ただし、これはすべての種目で補助筋への刺激が厳密に半分になるという意味ではありません。実際の記録では、まず対象筋を主に鍛えるセットを把握し、補助的な刺激も考慮する程度が現実的でしょう。
週12セットなら、1回・2回・3回でどう配分する?
胸を週12セット行う場合を例にします。
| 胸の頻度 | 1回あたり | 特徴 |
|---|---|---|
| 週1回 | 12セット | 日程をまとめやすいが、1回の負担は大きい |
| 週2回 | 6セット | セット数と疲労を分散しやすい |
| 週3回 | 4セット | 1回は短くできるが、予定の調整が必要 |
どれも週の合計は12セットです。週1回でも最後まで高いパフォーマンスを維持できるなら、その方法が合う人もいるでしょう。後半の質が落ちる場合は、2回以上に分けることが選択肢になります。
ただし、頻度を増やせば必ず良い結果になるわけではありません。他の部位との兼ね合いや回復も考える必要があります。
セット数を増やすか減らすかの判断基準
「週何セットがよいのか」に、全員共通の答えがあるわけではありません。私なら、まず記録の推移・セットの質・回復状態を確認します。
| 今の状態 | 調整の考え方 |
|---|---|
| 記録が伸び、疲労も問題ない | 無理に増減せず、現在の量を続ける |
| 後半にフォームが崩れたり、疲労が強く残ったりする | 週セット数を減らすか、別の日に分散することを検討する |
| 記録が停滞しているが、回復には余裕がある | 食事・睡眠・種目・努力度を確認したうえで、必要なら少しずつセットを追加する |
例えば、トレーニング終盤になるほど反動が大きくなり、狙った筋肉に負荷をかけられなくなる場合、セット数を増やす前に配分やフォームを見直す価値があります。
一方、同じフォームと可動域で重量やレップ数が伸びているなら、増量を急ぐ理由はありません。変更するときも、一度に多くの要素を変えず、複数回の記録を見て判断するとよいでしょう。
重量やレップ数の向上は有用な判断材料ですが、それだけで筋肥大の程度を証明できるわけではありません。可能であれば身体のサイズや見た目の変化も、長期的に確認したいところです。
私が実践している4分割と週セット数の考え方
基本は4オン1オフ。頻度は疲労と予定に合わせる
私は現在、胸・背中・肩と腕・脚の4分割でトレーニングしています。基本は4日トレーニングして1日休む「4オン1オフ」です。
ただし、毎回そのサイクルを厳守しているわけではありません。疲労が少なく、トレーニングが楽しくて続けたいときには「8オン1オフ」にすることもあります。反対に、疲労や予定に合わせて「2オン1オフ、2オン1オフ」と休みを挟む場合もあります。
仕事や休日との兼ね合いもあるので、休養日を無理に固定することはしていません。
4オン1オフを続けた場合、同じ部位のメインセッションは平均週1.4回。8オン1オフを続けた場合は平均週約1.56回です。どちらもそのサイクルを繰り返したと仮定した計算値であり、実際には休養の入れ方によって変わります。
週1.4回という数字が科学的に最適だから選んだわけではありません。筋トレは好きですが、疲労や日常生活への負担を増やしすぎず、集中して取り組めることを優先しています。
胸15セットは、質と記録を保てる現在の落としどころ
以前は、休息日なしの4分割で胸のメインセッションを1回34セット行っていました。現在は1回15セットです。
ただ闇雲に減らしたのではなく、セット数を段階的に見直しながら記録や疲労を確認してきました。その結果、今の私にとって、最後まで質を保ち、記録を伸ばしながら実施できる量が15セットだと感じています。
この違いを週平均のセット数に換算すると、次のようになります。
| 胸のメインセッション | 同じ部位の週平均頻度 | 1回のセット数 | 週平均セット数 |
|---|---|---|---|
| 以前:休息日なしの4分割 | 1.75回 | 34 | 59.5 |
| 現在:4オン1オフ(基本) | 1.4回 | 15 | 21 |
| 現在:8オン1オフ(ときどき) | 約1.56回 | 15 | 約23.3 |
※いずれも各サイクルを継続した場合の計算上の平均です。胸のメインセッションのみを換算しており、胸に対するすべてのトレーニング刺激を集計したものではありません。実際には休養日の入れ方が変わるため、平均値も変動します。
基本の4オン1オフで比較すると、週平均セット数は以前の59.5セットから21セットへ、約65%減った計算です。それでも、週10セット程度という研究上の目安と比べれば、現在の量も決して少なくありません。
私が15セットを維持しているのは、この量が万人にとって最適だからではなく、今は記録が緩やかに伸び、疲労も抑えられているからです。
今後、さらに少ない量でも同じ質と成果を保てそうなら、1〜2セット減らすかもしれません。逆に伸び悩んだときには、食事や回復などを確認したうえで、1〜2セット増やす選択肢もあります。
減らしすぎて必要な刺激が不足することも避けたいので、現状では15セットが心地よい落としどころです。まだ適正量を探っている途中だと考えています。
私が考える「セットの質」とは
私が最も重視しているのは、狙った筋肉に負荷が乗った状態を、セットの最後まで維持することです。
苦しくなる終盤のレップでも、挙げることだけを優先して負荷を逃がしたり、無理にフォームやテンポを崩したりしないよう気をつけています。
以前は、多少質が落ちてもセット数で補えるという考えもありました。しかし今は、限られた15セットを無駄にしたくないという意識が強くなっています。
もちろん、筋肉に負荷が乗っている「感覚」だけで筋肥大効果を判断できるわけではありません。フォームや可動域を安定させたうえで、重量やレップ数がどう推移するかも確認しています。
現在は記録が緩やかに伸び、疲労と精神的な負担は以前より小さくなりました。質を意識してトレーニングを終えたときの満足感も高まっています。ただし、セット数だけでなくフォームや休息日も変更しているので、改善の原因を一つに特定することはできません。
以前のトレーニングをどのように見直したのか、その経緯は別の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:私が高ボリュームのトレーニングを見直した経緯や、記録・疲労の変化については、別記事『筋肥大が停滞したら何を見直す?』で詳しく紹介しています。
まとめ|頻度とセット数は「質」と「回復」で調整する
筋肥大について、今回のポイントは次のとおりです。
- 週のセット数をそろえると、頻度そのものによる筋肥大効果の差は小さい可能性がある。
- 週セット数を増やすと平均的には筋肥大効果が高まるが、追加効果は次第に小さくなる。
- 週10セット以上は研究上の参考値であって、誰にとっても必要な最低量や最適値ではない。
- 頻度は、必要なセット数を無理なく実施するための調整手段として使える。
まずは自分の週セット数を把握し、各セットの質を保ちやすい頻度に配分する。そのうえで、記録・回復・生活への負担を見ながら調整していく。
現在の私は胸のメインセッションを15セットにしていますが、記録や回復状態が変われば、この数字も見直すつもりです。セット数を決めて終わりではなく、成果に応じて調整し続けることが大切だと考えています。
参考文献・資料
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. (2016). Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Medicine, 46, 1689–1697. 論文を見る
- Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. (2019). How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency. Journal of Sports Sciences, 37(11), 1286–1295. 論文を見る
- Pelland JC, et al. (2026). The Resistance Training Dose Response: Meta-Regressions Exploring the Effects of Weekly Volume and Frequency on Muscle Hypertrophy and Strength Gains. Sports Medicine, 56, 481–505. 論文を見る
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. (2017). Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis. Journal of Sports Sciences, 35(11), 1073–1082. 論文を見る
- Currier BS, et al. (2026). American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise, 58(4), 851–872. 全文を見